大企業の中で何度もイノベーションを起こせる人材はどのように作られるのか?
どちらかというと、そのマネジメント方法にフォーカスされた本「シリアルイノベーター」。
本に書かれている内容
- シリアルイノベーターは、組織で開発やイノベーションに携わる他の人達と何が違うのか?
彼らが課題を理解し、解決策を創造するプロセスはどんなものなのか? - シリアルイノベーターは組織の中でどのように動いているのか。イノベーションのプロセスと政治的なかけひきをどのように行うか。
- シリアルイノベーターの特徴
- 組織はどのようにしてシリアルイノベーターを特定し、育てることができるか
大企業においてイノベーションを起こすには、顧客視点でイノベーションを行う力だけでなく、組織の中での政治力を含めた能力が必要で、それらはどのようにマネジメントされるのか。
シリアルイノベーターの特徴、MP5モデル
- パーソナリティ
システム思考(古語の事象に目を奪われずに、各要素間の関連性に注目して全体像を捉えようとする思考方法)を持つ - パースペクティブ
仕事中心で理想主義者。人々の課題を解決し、世界をよりよい場所にするために技術を使い、同時に自らが所属する企業に利益をもたらしたいと考える - モチベーション
未解決の課題に取り組みたいという欲求と、緊急かつ重要な課題を抱えた顧客や企業の存在こそモチベーションを高めている。 - 構え(Preparation)
生涯を通じての学習者 - プロセス
- 顧客の課題を見つける
- 直線的に成功するのではなく、失敗と成功を繰り返すことで成功する
- 製品の発売後も自身の製品が人々の生活にどのような影響を与えているのかを見る
- 社内政治(Politics)
多くのシリアルイノベーターが、自分の企画が会社でNo.と言われた経験を持つ。その後、社内政治により、自分のアイデアが正しかったことを示すことになる。
特に、MP5モデルのプロセスに関わる部分だが、シリアルイノベーターは顧客の真の課題を見つける上で、トレード・オフの関係をより理解しようとする。例えば、「この性能を提供する代わりに、こちらの性能は提供しないとしたらどちらがいいですか?」、「性能が向上した分、価格がX円アガルとしたらどうでしょう?」と問う。
顧客にその選択をしてもらうことで、ある仕様がどのくらい譲歩できるもので、他の仕様とどのぐらい相互依存関係にあるのかも見えてくる。
このようなアクションのため、シリアルイノベーターになるためには、リサーチ、調査を自分でやることが重要である。
- 自分でやろう
- 顧客のもとに赴こう
- 問いを立て、傾聴しよう
- 顧客の真の理解には時間が必要である
- 深く関与する
- 顧客データの力(顧客を味方につけることで、会社を動かす)
- 製品と関わり続ける(発売後も製品と係る)