大きな仕事をするには、解決策ではなく、課題自体を見直そう

This is service design thinkingというサービスデザインの教科書的な本がある。
Amazonの商品開発ランキング1位にもなっていた本で、面白いし、本当にためになる。
ただ、この本の中で一番心にぶっ刺さったのは、一番最後の「サービスデザインの時代に求められること」という章だった。

本書に書かれているツールをそのまま使っても、ブレークスルーは達成できない

383ページ、辞書のような本の最後に、こんな身も蓋もない事が書かれている。
それはなぜか?そこに、サービスデザインにこれから取り組む上での1つの課題が語られている。

自分の役割をまっとうしようとするバイアス

日本の企業人は生真面目で勤勉であるため、自分の役割を全うしようとするあまり、本来の目的を忘れてしまうことがある。それは例えば、以下のように。

仮に、大手のメーカー企業に務めるインハウスデザイナーを想像しよう。

この人物は長年組織の中で仕事をするうち、プロダクトデザインのスキルにおいては部門随一となった。
しかし、日々の仕事に追われる中、ユーザー像やマーケット設定など何かしらの制約条件を与えられないと未来製品の提案が出来なくなってしまった。

「ユーザーの生活を心地よくする手段を模索する」という大きな目的を忘れ、自らの役割を「企業内のプロダクト・スタイリスト」として矮小化してしまっているのだ。

「答え」の質は、「問い」自体の質を限界とする

僕らは本を読み、セミナーを聞き、いま抱えているビジネス課題の解決策を求めようとしている。
サービスデザインや共創マーケティングも1つの解決策なのだが、これまでの課題設定では捉えきれないことがあると思っている。
スポーツ用品を作っている企業が、スポーツをしている人のコミュニティが必要という課題設定を行うだろうか。課題を広げてできたのが、NIKE+だと思う。

課題や問い、つまりプロジェクトの「枠」自体を再設定することが大きな価値を生む。
なぜならば「答え」の質は、「問い」自体の質を限界とするからである。

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まとめ

こう書こうと思ったのは、僕らがこれから支援していく共創マーケティングだったり、サービスデザインのクライアントの方は上司からこう言われると思うのだ。

「共創マーケティングをなぜうちの部署がやるのか?」

サービスデザインも共創マーケティングも部署横断のプロジェクトだ。
This is service design thinkingの副題は「領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計」である。
NIKE+を最初に作り始める時のNIKEを考えてみて欲しい。
きっと、靴やスポーツウェアを作る部署、マーケティングする部署はある。
しかし、ウェブサービスを作る部署はなかっただろう。
なぜなら、これまでやっていないのだから。
それは、マーケティング部がやるべきことなのか、経営企画室か、広報部か、システム部がやるべきことなのか?

4年前のソーシャルメディアマーケティング黎明期も似たような状況があった。
今では広報がアカウント運用をしていることが多いが、最初は経営企画などもあり、部署は様々。ただ、この新しいマーケティングに取り組もうと意欲を持ち、社内調整力のある人がクライアントだったように記憶している。

そういう人たちをサポートして新しい事業を作れることが4年前も、そして今も楽しいのです。

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