ユーザーイノベーションがいま、注目されている理由

Amadanaが始めたAmidusの共創の取り組みや、3DプリンタでユーザーがMakerとなって製品を作るような、ユーザーイノベーションが注目され始めている。

ユーザーイノベーションについては、学術的な観点からも研究が進んでいる。今日は、「ユーザーイノベーション~消費者から始まるものづくりの未来~」を読んで、いまなぜ、ユーザーイノベーションが注目されているのか?を考えてみたい。

イノベーションにおける進化論

「最も強いものが生き残るのではない。最も強い種や最も賢い種ではなく、最も変化に強い種が生き残る」
という進化論を表す言葉がある(ダーウィンの言葉だと思っていが、実はそうでもないらしい)
イノベーションにおいても、この進化論のような多様性が能力に勝ることが一定の条件下で起こる。

 

ペイジは、ある条件の下では「多様性が能力に勝る」ことを理論的に明らかにしました。
1つは問題解決能力が最高の集団、もう1つが能力は第一集団よりも劣るが多様性を持つ(無作為に選ばれた)集んだんです。ペイジはこれら2つの集団に同じ問題に回答をしてもらうシミュレーションを行いました。その結果、多様性を持つ集団が最高の能力をもつ集団よりも良い結果を出したのです。
(中略)
「社外の多様で多数の消費者に製品開発に参加してもらうという手法は社内の専門家集団による製品開発より良い成果を生む」ということがありえます。

 

本では、InnoCentiveの事例が紹介されています。
InnoCentiveは、イーライ・リリーの副社長が2010年に立ち上げました。科学的問題の答えを求める依頼者(企業)が自社の頭を悩ませる問題を投稿し、誰でもコンテスト形式で回答するウェブサイトです。
このサイトにはP&Gやデュポンといった大企業が投稿をしていますが、その問題の約1/3の問題は社外の誰かによって解決されているそうです。

 

多様性×専門性の大切さ

この、多様性を作るために注目されているユーザーはですが、実は、ユーザーイノベーションで取り上げられる商品は、限られています。
それは、「ユーザーの関与は高いが、マーケットサイズはそれほど大きくない」商品。例えば、LEGOや、釣り用の特殊なルアー、新しい渓流下り用のボートなどです。

 

しかし、これからより多くの企業がユーザーイノベーションを取り入れていくためには、特定のコアユーザーだけに嬉しい商品でなはなく、みんなが欲しいと思うモノで、大きなマーケットサイズを確保する必要があります。

 

実際に本の中で取り上げられているマスキングテープの雑貨用新規開発において、複数の企業がそのアイデアを受け取りながら、「雑貨用途は多品種少量生産で手間がかかり、配置する人員数や製造工程の見直しが迫られる」といった理由で、その新規開発を諦めたそうです。

 

マーケットサイズを確保した商品開発を行うには、多様な生活者の意見から、ヒントを見出し、社内の専門家集団によって製品開発をするというハイブリッド型が最も大切なんだと思います。

 

実際に、去年から共創マーケティングに取り組んでいる中でも、この
「コアユーザーから意見を頂きつつ、マーケットサイズなど、企業の論理も理解・納得してもらう」
ことは、気をつけるべきポイントになっています。

オンライン上の対話によって企業と生活者がそこまでの共通認識を持てる状態になったことが、ユーザーイノベーションがいま注目されている理由だと思います。

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