海外のように、日本もブランディングが今後より重要になる。

 

10月9日に行われたPR and Social media summitのキーノートスピーチは
Why? The Right Question that builds brands in Social Media」だった。
この内容も面白かったが、「BuildsBrands」と言う通り、海外では日本よりも”ブランディング”が注目されているように思う。
実際に、11月に開催されるAdtechNYの最初のコマは、(偶然かも知れないが)6つ並行開催される講演のうち、半分がブランディングに関するものである。

 

その理由はソーシャルメディアというブランディングに最適なツールができたこともあるが、そもそも海外企業において、ブランディングを最重要課題として取り組まなくてはならない事情があるのではないか?

そして、その事情の1つは、”プライベートブランドの発展”ではないかと思っている。
つまり、価格の安いプライベートブランドが増加する市場環境にいる海外のナショナルブランドメーカーは価格以外の、”ブランド価値”をマーケティングで伝えることが最重要課題となっているのではないだろうか。


(All rights reserved by taniavolobueva

最近、日本でもプライベートブランドのCMが多くないか?

それほどTVCMを見る方ではないが、PB(プライベートブランド)のトップバリュやPBのビール「バーリアル」のCMを見る機会がある。

PBのビジネスモデルとは、
①メーカーから大量仕入れを行って価格を抑える
②CMなどの広告出稿も行わないので、価格が抑えられる
③小売店は大量に仕入れたものをさばくために、広告出稿がなくても、店頭の棚を多く取れる。だから、TVなどで見たことはないけれど、低価格で売れる。と思っていた。
しかし、PBがテレビCMを始めているのだ。

 

PBがCMを作る理由はひとつしかない。
「CMを作ったほうがコストが高くなったとしても、売れる」のだ。
なんといっても、小売店とつながっているPBはPOSデータを持っていて、CM出稿前後で売上が上がったのかを手に取るように把握することができる。

 

調べてみると、ビール類の2012年のプライベートブランドの売上の見込みは前年比58%の増加と急拡大をしている。
富士経済「PB食品の国内市場を調査」

日本の食品PBの構成比率は2007年に4%、2010年に9%、2015年には11%に増加すると見られている。(ACニールセン調査より)

 

食品のプライベートブランド比率。世界平均は20%

日本ではPBの発展が著しいが、世界ではすでに食品PBの構成比率は高く、平均20%にもなる。2015年の日本の予測の2倍にもなる。

2007年 2010年 2015年(予測)
PB比率一位:スイス 46% 46% 47%
世界平均 20% 22% 24%
PB比率10位:アメリカ 19% 21% 23%

(ACニールセン調査より)

 

日本のPBはインターナショナルPBコンサルティング Mr.Koen Jong氏によると、ヨーロッパの15年前の状況に近いらしい。
ヨーロッパにおけるPBの成長戦略―インターナショナルPBコンサルティング Mr. Koen Jongに聞く―)

 

つまり、ヨーロッパのナショナルブランドのメーカーはこの15年間、PBにシェアを奪われ続けてきたということになる。(もちろん、PBをナショナルブランドが製造しているケースもあるだろうが。)

 

さらに、スマートフォンの発達により、価格が安いモノを求めようと思えば、店頭で簡単に検索して見つけることができる。安いPBを置いていない小売店は人が集まらなくなる。小売店の競争戦略として、今後もPBは拡充されていくだろう。

 

ナショナルブランドがプライベートブランドに勝つためには

これから、ナショナルブランドを生産している企業の経営課題としても、PBとの競争は避けて通れない。

サントリーの宣伝部長も、「これからはナショナルブランド同士の競争だけでなく、プライベートブランドとの競争も激しくなる」と述べている。
特に消費税が8%になり、10%になる中で購買における価格の重要性はさらに高まるだろう。

 

PBといっても、作っているのはどこかの大手メーカーである場合が多く、品質は大きく変わらない。(Product)。広告などによるブランディング(Promotion)が変わらなければ、価格(Price)も、棚の占有率(Place)あらゆる点でPBのほうが強くなってしまう。

ナショナルブランドを生産するメーカーにとってPBの価格に負けないだけの価値を伝える「ブランディング」がますます重要になっている。

価格は高いけれど、このメーカーの、(または、この銘柄の)商品を買いたい」と思う消費者を何人作り出せるだろうか?

逆に、小売店側も無印良品のように、お店、PBに対するブランディングに投資をしていくだろう。

価格も安いし、このお店のPBだからこの商品を買いたい

と思う消費者を何人作れるかが小売店の勝負である。

 

そして、デジタルマーケティングという1人1人に合わせてコミュニケーションを変えられるマーケティング手法がこのブランディングを実現する手段として注目されているのだ。

 

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。