次のセッションはSyncapseという企業のスポンサーセッションです。
スポンサーセッションではありますが、グローバル企業がどんなツールを使ってソーシャルメディア戦略を実施しているのかを知るいい機会でした。
今回、アメリカに来てみて本当に実感したことはプレイヤーの多さです。
Facebookのようなプラットフォーマーだけでなく、
- Facebookのツールを提供する企業、
- そして、複数のツール・プラットフォームを管理するツールを提供する企業
- 結果としての効果測定ツールを提供する企業
- それらの企業に資金を提供する企業
などなど様々な企業が、ひしめきあって市場をつくっています。
(下の絵の小さなロゴが主要プレイヤー。把握するのも大変なぐらいたくさん!)
プラットフォームを持ち、ゲームも作り、広告枠も提供している日本のSNSとは考え方が全く違うのだということを実感しました。
アメリカのビジネスの強みは水平分業です。
プラットフォームも持ちつつ、ゲームも広告も作る会社はいない。
多くの企業が一緒になって市場を作っていくことで成長していることがよく分かりました。
さて、これほどたくさんのツールがある中で、どのように使っているのでしょうか。
まずは、Syncapseの紹介から。
Syncapseってこんな会社
SyncapseはCanadaの会社で、ソーシャルメディアのグローバルカンパニーで以下の事業を行っています。
- FacebookやTwitterを利用したソーシャルメディアマーケティングのコンサルティング
- 強みはクロスカントリー、クロスメディア、クロスランゲージでサービスを提供
- グローバルのキャンペーンを実施できるツールを持つ
- Facebookのタブを簡単に作れる
- Facebookなどを運用する際のワークフローや運用管理が可能
- 各ソーシャルメディアへの投稿のスケジュール管理、投稿場所管理が可能
- 全てのソーシャルメディアの状況を1つのダッシュボードで閲覧可能
- それらをEVM(Engagementの広告換算値)で効果測定可能
各社の活用事例
ペプシは、グローバルなキャンペーンを実施するために短時間に多くのFacebookのファンページを作ることが必要でした。また、世界中で様々な言語で展開する必要があったので、Syncapseを利用しました。
また、NationWide Insurance のShawn Morton (Director of Mobile Social and Emerging Media )はコンプライアンスが重要で、多くの担当者が様々なプラットフォームに投稿することが必要でした。このため、ワークフローと承認フローが可能なこのツールを利用しました。
また、AB InBev Canada のMatt Ramella (SManager Mdia Sponsorship&Degital Marketing )は15個のFacebookページを運営し、それぞれのキャンペーンの効果を比較するために利用しました。
ソーシャルメディア上の価値はEVM(Engagement Value Measurement)として金額換算しているそうです。
気づいたこと
このセッションだけではないですが、Facebookはコスト対効果の面で日本のソーシャルメディアの中心となるのではないかということです。
Facebookのファンページを作ることに企業は制作費しかかかりません。確かに、今はFacebook利用者はmixiやTwitterに比べてわずかです。しかし、コスト対効果の安さから多くの企業が自社WEBを作る感覚でファンページを作ることが出来ます。
人数は少ないとはいえ、ファンを可視化出来ることはマーケティング上の大きな変化です。
企業が参入する
→ファンがそこでコミュニケーションする
→ユーザーが増える
というスパイラルが起こるように思います。
<芸術と一体になろうのコーナー>
ニューヨークの街角芸術の一つ、「LOVE」のVと一体化する著者近景。