ソーシャル消費の時代

2015年のビジネス・パラダイムの副題の通り、若者観測、シニア観測、ファミリー観測、情報社会観測、コミュニティ観測、観光力観測、環境社会観測のそれぞれのテーマにおいて、消費者や市場がどのように変化するのかが書かれた本。
今少しずつ芽が出ているビジネスや、消費者の考えの変化が、5年後にどうなるのか。
特に、従来の「個、量」ということではなくて、「絆、質」を重視した新たなソーシャル消費を中心に書かれています。

ただ最近、同世代は2極化してきていると思っています。
この本に書かれているような自ら積極的に生き方を見つけていく層と、そうじゃなくて今まで通り誰かのレールが無いと生きられない層に。
そこには地方と都市の違いも結構大きいと思うのです。
ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム (講談社BIZ)

情報社会観測において、消費は「所有⇒使用⇒創造」というプロセスを辿るだろうと予想されています。

2015年へ向けて、消費は「所有⇒使用⇒創造」というプロセスをたどっていくだろう。わかりりやすくいえば、消費は「持ってナンボ⇒使ってナンボ⇒創ってナンボ」という価値観の流れに乗って動いていく。

20世紀後半には、「3C」と呼ばれる「自動車(力ー、クーラー、カラーテレビ」が消費の王座にあった。

それが21世紀、3Cは「コミュニケーション、クリエイション、カルチャー」になるといわれる。20世紀には、3C、すなわち製品や製品を所有することがすべてであったが、21世紀には、
・モノによって誰かと「つながる=コミュニケーション」
・そのモノが自己表現の個性を「作れる=クリエーション」
・モノの周りで仲間と共通の世界観に「ひたれる=カルチャー」の部分に時間を費やし、お金を消費する頻向か強まっていくということだ

その根拠としては、モノ不足からモノ余りへの時代の変化があります。

モノ不足の時代には、人はモノを所有することに価値を見出し、モノの機能的なベネフィットを享受することに「ありがたみ」を覚えたが、モノ余りの時代には、モノの価値は相対的に下がらざるをえない。

そこでは、モノそのものより、モノがココロと結ばれるまでの「過程段階」や「波及効果」の価値が高まる。つまり、商品・サービスの購入時だけでなく、その「事前・事後」において発生する出来事の良し悪しによって、モノの価値が高まったり下がったりする。
その中で、消費者はいまや、購入や消費の全プロセスに関わる時間や手間を惜しまず、むしろ積極的に参画している。その結果、彼らは半ば勝手に商品・サービスの価値を「創造・増幅」しているのだ。

他にもフランスの観光政策が面白かったので、引用。
観光を社会福祉政策として考え、ヴァカンス小切手を発行するというアイデアは、とてもいいと思いました。

日本では教育バウチャーが検討(一応)されていますが、ちゃんと導入されるのでしょうかね・。

フランスの観光政策で最も特徴的なのは、観光を社会福祉政策と結びつけている点だ。

18世紀まで、観光は一部の富裕層だけのものだった。これを一般大衆にも促すことで国内市場の活性化を図り、その後は社会福祉政策と関連づけて、さらなる充実を計ったのである。その足がかりとなったのが、1936年に始まった有給休暇制度だった。

その後フランスは、「ヴァカンスアクセス政策」と銘打って、社会的弱者の観光を促す政策も開始した。その一環として、低所得者層の休暇利用促進のために1982年に導入された制度が「ヴァカンス小切手」である。その制度では、従業員は、指定施設で支払いに利用できる「ヴァカンス小切手」を給与の一部として受け取ることができる。雇用主の側は、ヴァカンス小切手を発行申請することで、社会保険料の一部減免措置が適用されるという仕組みだ。

フランスは他に、休暇基金の設置など積極的な取り組みを行っており、そのおかげで社会的弱者(低所得家庭、若年層、年金生活者、失業者、障害者など)が低予算でヴァカンスを楽しめるようになった。今日では、毎年約3万人がその恩恵を受けているという。
また、子どもの観光促進にもさまざまな支援策が講じられている。「コロニー・ド・ヴァカンス」という制度は、所得の低い家庭や子どもの多い家庭を対象に、学校の長期休暇中、引率者監督のもとで子どもだけでヴァカンスを過ごさせるというものである。さらに経済的に苦しい家庭には、子どもの滞在費が援助されるという充実ぶりだ。

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