ローマ亡き後の地中海世界

ローマ人の物語、全15巻に続くローマ亡き後の地中海世界の下巻。このシリーズは1000年を超える長い歴史を通して、社会の仕組みと、それを作り出した英雄たちの物語。
この本に惹かれて2008年にイタリアに行ったことを思い出す。

・なぜ、ローマはこれほどまでに発展したのか。
・そしてなぜローマは滅ぶのか。その時にキリスト教はどのような歴史的役割を演じたのか。

がローマ人の物語では自分の中での疑問だった。全巻を読んでなんとなく分かる気がしている。

ローマ亡き後の地中海世界 下

ローマ亡き後、地中海世界はトルコ帝国の後ろ盾による、海賊の被害に悩まされていた。
しかし、その海賊に対する闘いの勝利が地中海世界に住む人々に勇気を与える。

防衛力の増強に、精神面でも資金面でも努力を情しまなくなるのは、人々の心情が、何をやっても無駄だから、無駄ではない、に移行した証拠ではないかと思っている。

ローマ帝国がトルコ帝国と違い、長い繁栄を築いた訳

もしもトルコ帝国が、かつてのローマ帝国のように、学問芸術は、それを得意としてきたギリシア人にまかせ、商いはユダヤ人とギリシア人に、騎兵力は、騎馬民族であるムーア人々ガリア人に、弓矢はオリエントの男たちに、という具合に、それぞれ得意な分野をまかせるという方針でこ貝していたのならば、トルコ帝国とヴェネツィア共和国の間も良好に進んでいたはずであった。
ローマ人はこの白分たちのやり方を、「寛容」(クレメンティア)と呼んだ。「寛容」と聴くと、強者が弱者に対して「施し」を与えることのように聴こえる。だが、古代のローマ人にとっての「クレメンティア」は、そのような情緒的感情ではない。共生していかねばならない相手にも得意分野で力を発揮させることでその人の存在理由を確認させ、それを基盤に運命共同化にもっていこうとする、冷徹な支配哲学であったのだ。

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