世界のインパクトのある広告が紹介されているだけでなく、それをどうやって創りだすかの観点でカテゴライズしている本。見ているだけでインスプレーションが湧いてくるようなおすすめの本だ。例えば、ビルに巨大なサッカーボールが刺さっているナイキの広告。これは以下で紹介するインスピレーションの源の「2、変形」を利用してますね。
世界のインパクト・キャンペーン―アイデア溢れるブランド・コミュニケーション成功例
慣習に捕らわれない広告の4つのポイント
①接近
・ブランド側が消費者の購入を決める場所まで足を運んで自己主張する方法。ホームパーティ商法やゲリラマーケティングはこの手法に含まれる
・消費者が知りたいときにブランド情報を伝えられるようにする。インターネットなどがその代表となる。
②独自性
広告の競争のないところをねらうことで、消費者の注意をひくことができる。
③控えめになること(ブランドを目立たせない)
これまでの広告では目立つことが重要であったが、広告を忌避するようになった消費者にはより小さく、より控えめな広告の方が効果的なのだ。
④意外性
インスピレーションの源
1、侵入(既存の場所や物を使いメッセージを伝える)
媒体の機能的価値を利用して、一緒に置くだけでメッセージが伝わる広告にする。
例えば、カルフールではりんごの横に「白雪姫」の絵本を置いてみた。(毒リンゴだと思われないか心配だが、、
2、変形、
サイズ、色、形、素材、場所、追加、除去、置換えを行うだけでインパクトを伝えることが出来る。例えば、オリンパスは10倍光学ズームの新製品の性能を示すために実物の10倍の大きさのオブジェを作った。
3、設置
例えば、IKEAではマットレスの驚異的な軽さを宣伝するために、駅に81個のマットを吊るしてそのマットに広告を書いた。
4、錯覚
例えば、クノールカップスープの広告は、カップスープの湯気によってできたような印象を与えるステッカーを電車に貼ったものだった。
5、派遣
人々をメッセンジャーとしてある場所に送り込む方法。
6、感覚
5感に訴える方法
7、交流
消費者が実際に関わる宣伝手法。
例えば、Playstation用の「オリンピックゲーム」のプロモーションで路上にダンベルを置いてウェイトリフティングなどのオリンピック記録を破るように路上で呼びかけた。
8、スタント
難しく目を惹く危険な離れ業を実施する。なお、ほとんどのスタントは無料で報道されることを意図して企画されている。
9、話題のニュース、象徴的な人物、メジャーな場所を使う
2001年3月20日、全米の人々が宇宙ステーションミールの地球帰還に注目していたが、実際にはTaco Bellのタコスのことをかんがえていたのかもしれない。このメキシカンスタイルのレストランは南太平洋上のミール落下地点予測値の近くに144㎡の的を浮かべ、「もし、ミールがこのベルを鳴らしたら」すべての人にタコスを無料で提供するとした。